中|也過去捏造(書きかけ) 太中前提
*中|也の異能「汚れ|つちま|つた悲し|みに」が突然暴走してしまい、その所為で母親を殺してしまった、という前提のもと書いています。とても人を選ぶ話なので、バスタオルとビニール袋、手近な殴れるものを用意して、飲み物を飲んで心を落ち着けながらどうぞ。
*一応年齢としては、8歳としています。意味等については追って説明ないし本編加筆修正して掲載したいと思います。
*中|也の一人称「僕」、太|宰の一人称「俺」という自分設定が大量に含有しています。公式にない設定なので、少しでも無理だ、と思った方はそっとリターンして下さい。
*モノローグの加筆修正は後ほど...眠い...(本音)
始まります(
綺麗な蒼の瞳も、小さな手指も、橙の髪も。総てが黒に、朱に染まる。幼き異能者。
――否、幼き、”破壊者”――ブレイカー――か?
「出逢ッた当初こそ怯えていたのに、異能に呑まれてどんどん黒に成ッて仕舞ッたね、中也」
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「此の頃横浜でとある異能者が流行ッているそうじゃの、鴎外殿」
「例の重力遣いの子供だね、軍警が怖がッて補導が出来ないそうだよ。……一組織は潰せそうだ」
「真逆此方で飼い慣らす心算かえ? あの狂犬を」
「我々にとッて重要な戦力に成りそうだ。……勿論、手は打ッてある」
「余程期待しておるの」
「何せ紅葉君、之から素晴らしい怪奇譚――ストーリー――の幕が上がりそうなのだよ」
(之は総て見抜いておる表情――かお――じゃな)
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「然うねェ、中也は手指が綺麗だから、楽器を遣ッたら如何かしら」
「楽器? 僕、楽器とか出来るかな」
「出来るわよ、私の中也だもの」
「そッか! 僕、遣ッてみる!」
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もっと、ずっと此の儘、幸せな日々が続けば良いなと、僕は子供ながらに思っていた。何不自由なく、五体満足で、何時も何時も、暖かい毎日で。
――只、或る一点を除いて。
僕はとても、幸せだったのだ。
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「母さん、見て見て! 浮いてる!」
「凄いわ中也、超能力が遣えるのね!」
「超能力……! 恰好良いな!」
「テレビに出られるかもね!」
「然う成りゃ僕有名人だ!」
最初は、物が独りでに浮いた。物珍しさに何度も何度も遣った。母さんの愉しそうな表情が見たくて、少し痛くて苦しかったけど、でも、母さんの為に僕は頑張った。
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「……ッ、痛ッ」
「如何したの中也!? 大丈夫!?」
「ッ手、が、痛い、凄ェ、痛ッ……」
「大変、早く病院に……!」
「母さん、待ッて、待ッてよ……!!」
「こンな手で、何を掴めると云うの……!」
「……え……?」
「ずッと放ッておいたンでしょ、嗚呼、腫れてるわ、今病院に行くから大人しくしてなさい!」
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あの日、初めて僕は母さんに怒られた。両の眼に沢山の涙を溜めて、僕の手を摩りながら、静かに、静かに。母親の眼をして怒る母さんは、今でも色濃く心に残っている。
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眼の前が、紅に染まっていた。視界を埋め尽くさんばかりの、紅、紅、紅。そして、全身に広がる倦怠感。脳を蝕む物悲しさ、悲壮感。否、涙は流れず、空中を浮遊するだけ。まるで、無重力の中に居るかのように、浮いていた。
果たして浮いているのは、大好きな、大好きな、大好きな母さんだった。只、只、上がらない嗚咽を上げながら、声を上げずに僕は泣いていた。涙が流れる度、地面に罅が入って、母さんが浮いては、あらゆる物が浮き上がる。僕は全く浮き上がりはしないのに、母さんにだけ、家具だけが独りでに。僕の気持ちとは正反対に、ひたすら、咎めるようにして浮いている。
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其処に只一人、天地が反転した部屋で立ち尽くす少年は、涙をふわふわと不安定に浮遊させながら、ほろほろと泣いていた。あんぐりと口を開けて、眉を哀しげに、憐れに下げながら。やけに大人しく、聞き分けの良すぎる子供のように。果たして彼は年端も行かぬ少年で、目の前を浮遊する女性――俯せで浮いている――にしがみついている。幼い子供の筋力では到底抱えられはしない。
なのに中也は、軽々と、とても軽々と持ち上げ、そして。
――音もなく、突き落とした。
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※途中です
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